10月23日(金)    上佐波賀筏(晴れ)    若潮

前回の青井でのかかり釣りが非常に厳しく、私の腕ではチヌの顔を拝む事が出来ませんでしたので、今回は釣行先を何処にするか散々悩みましたが、「舞鶴湾四季の筏釣り」の和田さんが18日に良型、大型を上げられました上佐波賀に釣行する事にしました。私の腕では和田さんの様な釣果を期待するのは無理な注文ですので、牡蠣の様子とチヌの上がり具合を確認する事を主目的にして釣行します。自宅を何時もよりかなり早い3時頃に出発します。国道の温度表示は9℃を表示しています。観音峠付近から小雨が降り出します。2頭の鹿が道端で草を食んでいます。久し振りに鹿を見ました。鹿に注意を払い観音峠を越えます。小雨の中、安全運転で舞鶴を目指します。久し振りにR9→R27→白鳥街道→黒鯛釣具さん→上佐波賀のルートで車を走らせます。東舞鶴IC付近の道路には水溜りが出来ています。結構な雨が降ったようです。黒鯛釣具さんで、オキアミLL1パック、サナギ小1袋、土中1箱、氷小1ヶを購入します。クレーンブリッジを越えて左折して下り道を走っていますと、狸が車の前をトコトコと右から左にゆっくりと横切って行きます。慌てて急ブレーキをかけます。狸を轢かずに済みました。ボーとしていた頭が一気にシャキッとしました。5時20分頃に佐波賀渡船さんの駐車場に到着します。1台も車が停まっていません。船頭さんもまだ来られていません。車の中でゆっくりしていますと、5時40分頃に船頭さんが来られます。お互い朝の挨拶を交わします。今日の釣り人は私一人のようです。最近のチヌの上がり具合をお聞きしますと、50台のチヌが上がっているとの事でした。3番と17番で上がっているようです。「どっちにする?〜」「う〜ん、迷うな〜」迷いに迷って3番筏で竿を出す事を船頭さんに伝えます。この決断が良かったと思えるかかり釣りをしたいものです。渡船料3000円を支払い、私一人を乗せて出船です。

6時頃、上佐波賀筏群に到着します。3番筏に船を着けて貰います。筏に上がり海の色を見ますと、湾奥の筏らしく透明度の悪い色をしています。筏には多くの牡蠣が吊るして有ります。4番筏にも多くの牡蠣が吊るして有りますので、牡蠣チヌ狙いでの牡蠣の心配をしなくて済みそうです。牡蠣が吊るして有るのですが透明度は良いとは云えません。釣座位置を北向きに構えます。先ずはブイに付いています貽貝を少々頂いて、釣座位置付近にパラパラと撒きながら潮の流れを確認しますが、潮は余り動いていないようで貽貝が真下よりやや左方向に落ちて行きます。貽貝を撒き終えましたので次は荷物の整理を行います。荷物の整理を終えてから、ゆっくりと仕掛けの準備をします。(タックルは竿 1.4m リール バイキング筏-44 ライン 1.75号通し 錘り 0.5号 鈎 海津12号)

6時20分頃からかかり釣りを開始します。先ずは何時も通り貽貝チヌを狙います。期待に胸を膨らませて刺し餌の貽貝を1ヒロ、1ヒロ、慎重に落とし込んで行きます。落とし込み途中で、刺し餌の貽貝を触ってくるのではないかと期待したのですが、期待に反して無反応で着底します。暫く静観しますが、刺し餌の貽貝に反応する魚は居ないようです。上下の誘いを頻繁に掛けますが、穂先はピクリとも反応しません。「う〜ん、厳しいな〜」粘り強く誘いを掛けて貽貝をパラパラと上撒きしますが、刺し餌の貽貝に興味を示す魚は居ないようです。釣座位置では貽貝を触って来ませんので、貽貝を刺し餌にして筏廻りを探って見る事にします。彼方此方探りを入れますが、刺し餌の貽貝を触って来る魚は居ません。「う〜ん、厳しすぎるな〜」粘り強く筏廻りを丁寧に探りますが、穂先に反応が出る事は有りません。釣座位置に戻り、ひたすら刺し餌の貽貝を落とし込みます。

1時間ぐらいは貽貝チヌを狙って見ようと落とし込みを続けます。しかし、チヌからの反応は全く有りません。徐々に貽貝チヌへの諦めの気持ちが頭の多くの部分を占めて来ます。静観と誘いをひたすら続けますが、少しくらい餌取り達が反応しても良いと思うのですが、餌取り達も刺し餌の貽貝の動きに反応を全く示しません。餌取り達の様子を見て見たいのですが、1時間ぐらいは貽貝で粘ろうと思っていますので、もう少し貽貝で粘って見る事にします。7時10分頃、「ボチボチ1時間近くになるな〜」と思って穂先を見ていた所、今日初めての反応が穂先に出ます。”コツコツコツ、コツコツコツ、コツコツコツ”極弱い餌取りの様な反応です。「う〜ん、凄く弱い反応やけど連続しとるからチヌやろ!〜」竿を持つ手に力が入ります。穂先の動きに全神経を集中します。”コツコツコツ、コツコツコツ、コツコツコツ、フ〜”穂先に負荷がなくなります。「ヨッシャ〜、いまや!!!〜」立ち上がって大合わせを入れます。”ガツン”竿を持つ手に重さを伴った心地よい感触が伝わって来ます。間違いなくそこそこのチヌです。立ち上がった分、一気にラインを巻いて底を切ります。ラインを巻いた途端に重さの有る強烈な突込みが始まります。竿でためて耐えますが、ジリジリとラインを引っ張り出されます。使い古しのラインですので、強烈な突っ込みのときは無理せずラインを出して突っ込みをいなします。突込みが少し緩んだ隙に一気に竿を起こしてラインを巻きます。前に向かって突っ込んでいますので、牡蠣ロープの心配をしなくて済みそうです。チヌの強烈な突っ込みに耐えながら徐々に浮かせます。かなり浮かせましたのでボチボチチヌの姿が見える頃と思っていますと、一気に筏の中に突っ込まれます。立ち上がって竿を前に突き出して耐えながらラインを巻きます。牡蠣ロープには引っ掛からなかったようです。足元に白い大きな魚影を確認します。間違いなく良型のチヌです。竿下に引っ張り出しますが、何度も突っ込まれてヒヤヒヤものです。元気印の秋チヌです。ようやく海面に浮かせて無事タモに収まります。40後半のチヌです。有り難い事です。丸々と肥えていますので大台に見えてしまいました。

貽貝チヌが来てくれましたので、もう少し貽貝を刺し餌にしてチヌを狙う事にします。しかし、穂先が反応を示す事は有りません。貽貝を刺し餌にしての貽貝チヌ狙いは相変わらず厳しいです。朝から1度だけの反応がチヌからでしたので、穂先の動きに全神経を集中します。静観と誘いを繰り返しますが、穂先はピクリとも反応を示しません。パラパラと貽貝を上撒きしながらチヌからの反応を待ちます。海面に幕を張った汚い海水が流れて来ます。上潮は風の影響で流れますが、底潮は朝から殆ど動いていません。微かに左手西方向動いています。もう少し底潮が動いてくれれば魚達の活性がよくなると思うのですが、こればかりは釣り人の思い通りにはなりません。ひたすら貽貝を刺し餌にして落とし込みを続けますが、穂先が反応する事は有りません。穂先が反応すればチヌの可能性が大ですが、ボチボチ無反応の穂先を見つめる事に限界を感じて来ました。ダンゴ釣りに切り替える時間のようです。

8時30分頃からダンゴ釣りを開始します。先ずはオキアミサナギの抱き合わせを刺し餌にしてダンゴに包み投入します。着底。ダンゴを突く魚は居ないようです。ダンゴが自然に割れて刺し餌が飛び出します。”コツコツ”オキアミを取られたようです。まだサナギが残って居るはずですので穂先を凝視していますと、”コツコツ、コツコツ、コツコツ”サナギを啄む反応が穂先に出ます。穂先が押さえ込まれれば合わせを入れるのですが、穂先を押さえ込む事無く反応がなくなります。ラインを巻き上げて刺し餌を確認しますと綺麗になくなっています。サナギにも反応するようです。手返しを繰り返していればボラも寄って来て、魚達の活性も上がってくるはずと手返しを繰り返します。始めはサナギを取られたのですが、数投目からサナギがなくなりません。数ヶ所穴が開いた状態で上がって来ます。竿下にはハゲが居るようです。徐々にサナギに開く穴の数が減って来ます。9時頃にはオキアミが無傷で上がって来ます。1投目で魚達の活性が良いと思ったのは間違いだったようです。

9時15分頃、オキアミコーンの刺し餌がダンゴから抜けて直ぐの”コツコツコツ、クー”と、少し穂先を押さえ込んだ反応で合わせを入れますと何か鈎掛かりしました。海面に姿を現したのはヨコスジフエダイの稚魚でした。チヌ以外で初めての魚が鈎掛かりした事で手返しにも力が入ります。しかし、オキアミも無傷で上がってくる時間帯が多くなって来ます。潮が動いてくれる事を祈らずにはおれません。10時30分頃、ようやくサヨリが近くまで寄って来ます。しかし、直ぐに目が届く範囲から姿を消してしまいます。アジも回って居ないのか、オキアミの落とし込みでも底まで取られる事は有りません。ひたすら手返しを繰り返しますが、魚達の活性が良くなる事は有りません。ボラが回って来てくれれば気合も入るのですが、ボラのダンゴ突きが出る事は有りません。面白味にかけるダンゴ釣りをひたすら続けます。ボラのダンゴ突きが出る事を期待しながら手返しを繰り返します。魚達の活性が悪いですので、11時30分頃、少し早めの昼ご飯を頂く事にします。今日もカップラーメンとパンのお昼ご飯です。別のポットを持って来ましたので熱いお湯でカップラーメンを頂けます。しかし、今日はカップラーメンを食べるには天気が良くて少々暑いです。

12時過ぎ、お昼ご飯を食べ終えてダンゴ釣りを再開します。魚達の活性が良くなる事は有りません。時々、ダンゴが割れてからの穂先の押さえ込みで合わせを入れますと、小ハタ、チャリコが相手をしてくれます。我慢我慢と言い聞かせて手返しを繰り返します。2時30分頃から良型のアジが回って来ます。オキアミでの落とし込みが出来ません。良型のアジ狙いに走りそうな気持ちを思い止めます。今日の納竿は4時30分と船頭さんに云って有りますので、ダンゴ釣りでチヌを狙うよりも貽貝で狙った方が確率高いと、この時何故か分かりませんが貽貝のイメージが頭に浮かびました。3時30分頃から貽貝でチヌを狙う事にしました。パラパラと貽貝を撒きながら刺し餌の貽貝を落とし込んで行きます。落とし込み途中で刺し餌の貽貝を触って来る魚は居ません。着底。穂先に反応が出ません。穂先に反応が出ればチヌと思いますので、静観と誘いを繰り返します。3時40分頃、誘いを掛けた後の穂先を凝視していますと、”コツコツコツ、コツコツコツ、コツコツコツ”朝と同じ様な極弱くてしつこい反応が出ます。心臓バクバクです。間違いなくチヌの反応と思い竿を持つ手に力が入ります。”コツコツコツ、コツコツコツ、コツコツコツ、フ〜”穂先に負荷がなくなります。「いまや!!!〜」立ち上がって大合わせを入れます。”ガツン”重さの有る気持ちの良い感触が伝わって来ます。立ち上がった分一気にラインを巻きます。ラインを巻いたのと同時に強烈な突込みが始まります。これはかなりの型のチヌと直感します。一気に左手西方向に走られます。ジリジリジリとラインを引っ張り出されます。無理が利かないラインですので無理は出来ません。ジリジリジリとラインが出て行きます。牡蠣ロープとラインが平行ですので、何時牡蠣ロープ側に突っ込まれるか分かりませんので、西端までタモを持って移動してやり取りを再開します。重さの有る強烈な突っ込みに耐えながら必死でやり取りします。突っ込みの強さが半端では有りません。突っ込みの強烈さに耐えながら徐々に浮かせます。ようやく下の方で反転を繰り返している白い魚影を確認します。「でか!!!、でかすぎや!!!〜」突込みがキツイのでなかなか海面に浮かせません。四苦八苦しながらようやく海面に浮かせて無事タモに収まります。50中ごろのチヌです。有り難い事です。丸々と肥えたチヌですのでやり取りがきつかったです。

チヌが貽貝を喰って来ましたので、再度、貽貝を刺し餌にしてチヌを狙います。徐々にタナを深くして行きますが、相変わらず刺し餌の貽貝に反応を示す魚は居ません。着底。暫く静観しますが穂先に反応が出る事は有りません。誘いを掛けます。上に大きく誘い上げてゆっくり落とし込んで行きます。着底。穂先に反応が出ません。静観と誘いを繰り返しますが、刺し餌の貽貝に興味を示す魚は居ないようです。徐々に納竿時間が迫って来ます。4時30分少し前に誘いを掛けた後、”コツコツコツ、コツコツコツ”穂先に反応が出ます。竿を持つ手に力が入りましたが、その後の反応が穂先に出ません。どうやら餌取りが動く貽貝に反応したようです。ラインを巻き上げて確認しますと、貽貝が無傷で鈎に付いています。これで竿を納める事にします。ダンゴ釣りでチヌを掛け合わせられなかった事が心残りです。まだまだ修行が足らないようです。

釣果:2枚 48.5cm 55cm